1.新しい名前を決めよう
改名する前に、これから新しく使っていく自分の名前を決めます。
たとえば、「みさき」という名前を使っていくなら、ひらがなにするのか、カタカタにするのか、漢字にするのか?
もし漢字を使うのならどういう漢字を使うのか決めていきます
「みさき」の場合は、美咲、岬、美沙希、美沙樹などなど・・・
色々な漢字があると思いますが、自分が一番気に入った名前を使いましょう。
(漢字じゃなくて、ひらがなを使うのももちろん OK)
もし、できるのなら、両親や恋人、親友、親類の人に名付け親になってもらうこともできます。
私の知人の FTM(性同一性障害の男性)は、恋人に名前を決めてもらったと言ってました。
2.決めた名前を使っていく
名前が決まったら、その決めた名前をドンドン使っていきます。
そして実際にその名前を使って生活しているという証明をするために、公共料金や通販の支払い名を通称名(改名しようと思っている名前)で登録します。
例えば、通販やインターネットショッピングの領収書を通称名にしたり、ガス代、電気代、電話代、インターネット、料金の支払い、などなど・・・
出来る限り登録している名前を通称名にします。
公共料金以外の物だと、手紙や年賀状ですね。
お友達にお願いして、手紙や年賀状の宛名を通称名にして書いて貰うのもありです。
改名のために必要な通称名の使用期間は1 年以上あればいいそうです。
※私の知人は 3 ヶ月~半年の使用でも改名の許可が降りました。
レッツチャレンジ
とにかく通称名を長年使っているんだという使用実績を作るためにも証拠作りを徹底していきましょう。
家庭裁判所に行き改名の申請をする行く裁判所は、家庭裁判所です。
家庭裁判所では受付に必要書類を提出すると、後日面談の連絡があるので、その後の面談で改名出来るかが決まります。
住民票の住所にある家庭裁判所ではなく、現在住んでいる地域を管轄している家庭裁判所に行きましょう。
家庭裁判所の審査方法について
裁判所でも審査の方法は大きく分けて次の3とおり
1)受付のみで、後日郵送で審問日の連絡がある場合
2)受付のみで、後日電話で審問日の連絡がある場合
3)受付してから、即日審問する場合
■後日審査
後日審査の場合は、その日の内に許可が降りる時もありますが、後日連絡になる場合もあります。
■即日審査
即日審査の場合は後日連絡がありますよ☆
受付した後に改名が許可されないこともたまにあります。
その場合は何が原因だったのか確かめて次また頑張りましょう。
GID(性同一性障害)での改名ですから、受付の日と審問日は女性の姿で行くのが望ましいです。
「女として生きていく上で男の名前では困る!」という理由で改名するのに本人が男の格好でいると、説得力 ガタ落ちです
そして、改名の許可が下りれば、いろいろと変更が待っているので、改名の許可が降りたらコピーを何枚かとっておきましょう。
※市役所、区役所で住民票や戸籍の名前の変更の時は、原本を使いますのでご注意ください
3.改名に必要な書類を用意する
・戸籍謄本1通
・改名の申請用紙
・性同一性障害の診断書
・収入印紙800円分
・切手1440円分
戸籍謄本 一通
戸籍謄本は本籍地のある区市町村でもらうことができます。
もし本籍地の住所が今住んでいる地域から離れている場合は、代理人に取ってもらうか、郵送による請求ができます。
郵送による請求の場合は…
- 郵便切手
- 申請書
- 手数料(現金ではなく定額小為替を使う)
- 返信用の封筒(切手を貼っておく)
以上をひとつ封筒の中に入れて送ります。
料金はだいたい 450 円程度です。
また、詳しい請求方法は、本籍地のある区市町村の役所に電話して、係の方に問い合わせるのが確実です。
※戸籍謄本の申請書は本籍地のある役所ホームページからダウンロードできる場合が多い。
改名の申請用紙
▼改名の申請用紙ダウンロード
(※クリックした先のページから申請用紙が印刷可能)
これは「改名」の申請用紙です。
先ほどの「戸籍謄本」の申請用紙ではないので、お間違えなきようお願いします。
性同一性障害の診断書
性同一性障害として戸籍の名前を変更するには、性同一性障害の診断書が必要になります。
通常改名ってのは通称名を7年近く使用する必要があるらしいですが、性同一性障害と診断されている場合は 3 ヶ月~1 年程度、通称名を使用している実績があれば改名できるようです。
※GID(性同一性障害)の診断書はジェンダークリニックなどの正式な病院やGID のガイドラインで推奨しているような精神科病院の診断書でなくても大丈夫です。
最寄りの婦人科、産科、美容外科の先生が書いた診断書でも OK
※ちなみに、このレポートを作るにあたって情報提供をしてくださった知人の方はGID のジェンダークリニックではなく、婦人科の先生に診断書を書いてもらったようです。
また、私の知人MTFさんも私がホルモン注射をしていた産婦人科医の先生に書いてもらった診断書を使って改名の申立をしました。
その結果、なんの問題もなくすんなり改名できました
裁判所の役員は、性同一性障害の診断書がどこから発行されてるとか、そういうのは気にしないみたいですね。
GIDの診断書を持っていない場合はどうする?
性同一性障害の診断書を取得する方法はいっぱいあります。
「MTFがGID診断書をたった1日で取得する方法について体験談を話しました」という記事も参考になりますよ
私もつい最近たった1日でGIDの診断書を取得してきました。
その時の体験談や、どんなことをしたのか?どの病院で診断してもらったのかはこちら「[GID]性同一性障害の診断書を30分で取得してきましたin東京都」で話しています。参考にどうぞ
もし、現在通院しているんだけど、なかなか診断書がもらえない!ってことなら、こちらの記事「性同一性障害(GID)の診断が下りない、断られる原因と対策方法とは一体?」が役立つかもしれません
その他必要なもの
■収入印紙 800 円分
収入印紙や切手は、郵便局、郵便切手類販売所、印紙売りさばき所、コンビニなどで購入できます
■500円切手2枚
■80 円切手 5 枚
■20円切手2枚
詳細は自分の最寄りの裁判所に直接ご相談ください。
申請用紙と書き方
(※クリックすると別ページに飛びます)
名の変更を必要とする具体的な事項
※この項目は、私の知人の方が例文を
提供してくださったので、ここに引用させていただきます。
「申立人は性同一性障害を持つ〇〇歳の戸籍上の男性です
性同一性障害のガイドラインにそって、性同一性障害と診断を受け、ホルモン治療を開始しておします
また、ホルモン療法や手術により身体的にも女性化してい
ます。
その中で現在の「〇〇」という名前は日常生活で殆ど使用していません
今後、治療が進むに連れてさらに女性化していく身体には、現在の「〇〇」という名前では支障が増大すると考えられ
ます。
去年○月頃より望む名前での生活を本格的に開始し、携帯電話や通販などの領収書、郵便物の受け取りも女性名を使っています。
しかし公的書類では明らかに男性と分かる戸籍名「〇〇」を使用せざるを得ない為、非常に精神的苦痛を伴います。
今後、性別適合手術も受けたいと考えており、これからの社会生活の上で現在の戸籍名では不都合ですので変更の許可を得たく申し立てます。」
↑こんな感じで記入します。 参考にしてみてください。
■参考サイト
改名用紙のダウンロードはこちら
改名用紙の記入例DLはこちら
戸籍謄本のとり方、申請方法についてはこちら
3.必要書類をそろえて家裁に申し立てする
以上の書類をすべてそろえたら、最寄りの家庭裁判所に申し立てをします。
おさらいすると
- 1.新しい名前を決める
- 2.新しい名前を使っていく(2ヶ月以上)
- 3.必要な書類をすべてそろえる
- 4.以上の書類を揃えて家庭裁判所に申し立てする
以上のたった4ステップです
改名のよくある勘違い・誤解
・現在、男で生活してると改名できない?
・結婚してると改名できない?
・苗字も改名できる?
・性同一性障害の診断書が2通必要?
・6年以上、新しい名前を使った実績が必要?
・名前を変更したら会社にバレてクビになる?
以上はぜんぶ勘違いです。
名前の変更は戸籍の性別が男性のうちからできます。
現在まだ男性として会社に勤務していたり、日常生活が男だったとしても、GID診断書と使用実績を示す証拠があれば大丈夫です。
※家庭裁判所によっては、見た目が男性だと改名の許可が降りないことがまれにありますが…都市部の家庭裁判所ならだいたいOKです
女性と結婚していても、改名することはできます。
しかし、苗字は変更することができません。
わたしも最初はそう思っていたんだけど、改名の場合は診断書は1通で大丈夫です。
つまりファーストオピニオンの診断書だけでOKです。
ふつう、改名する時は新しい名前の使用実績が6~7年ほど必要なんですが、GIDの場合は1年以内でOKです。
家庭裁判所によっては2~3ヶ月の使用実績があればOKです。
思った以上に早い段階で改名できるので、自分の名前に苦しんでいるなら、今から改名のために動く価値はあるんじゃないでしょうか。
こんな不安を持つ人も多いです。
でも、女性化を理由に従業員を解雇(クビ)するのは法律で禁止されています。
詳しくは「性同一性障害(GID)を理由に従業員を今すぐ解雇できますか?」という記事を読んでみてね!
改名方法まとめ
改名の流れはざっとこんな感じ↓
1.新しい名前を決める
2.新しい名前を使っていく(2ヶ月以上)
3.必要な書類をすべてそろえる(申立書、GID診断書、証拠)
4.以上の書類を揃えて家庭裁判所に申し立てする
カンタンに言うと、性同一性障害の診断書があって、女性名を2〜3ヶ月以上使っていれば改名できます。
改名は最寄りの家庭裁判所に申し立てします。
許可が降りたら住所地の市町村区役所で名前の変更ができます。
意外とハードル低いし、数ヶ月で改名できるんですよ。驚きでしょ
次の記事→「睾丸摘出手術について」へGO!
こんにちは、みさきです。
自分の名前が男性的だと嫌だなぁと感じることはありますよね。 でも名前は変更できるのでご安心を。
ここでは自分の名前を女性名にする具体的な方法を説明しています。
ここで説明されている通りにしたら改名できた人は何十名もいるので確実な方法です。是非参考にしてみてください