こんにちは、スザンヌみさきです。
男に生まれて女性になってる人(MTF)の性別変更までの流れをまとめました。
この先、戸籍の性別を女性にしようと考えている。
現在進行系で戸籍の性別を変更中である。
そんなあなたの役に立つと思ってまとめました。
第1段階:性別適合手術
第2段階:裁判所に申し立て
第3段階:性別変更の許可が出てからの流れ
として3段階に分けています。
【第一段階】戸籍性変更の条件を整える(身体)
戸籍の性別を変更するには、以下6つの条件が必要です。
1.二人以上の医師により,性同一性障害であることが診断されていること
2.20歳以上であること
3.現に婚姻をしていないこと
4.現に未成年の子がいないこと
5.生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること
6.他の性別の性器の部分に近似する外観を備えていること
軽く説明すると…
1.二人以上の医師により,性同一性障害であることが診断されていること
2名以上の「お医者さん」により「あなたは性同一性障害ですよ」という診断されている必要があります。
2.20歳以上であること
説明しなくてもわかりますよね。
3.現に婚姻をしていないこと
日本はまだ同性婚が認められていないので、こんな条件がついています。
この先、同性婚が認められるようになったら、この条件は消えると思う。
4.現に未成年の子がいないこと
20歳以下の子供がいる場合は性別変更することができません。
これは血がつながっているとか関係なく、戸籍上「自分の子供」であれば適用になります。
おそらくMTFの場合は「父親」、FTMの場合は「母親」としての役目を全うしろという意味なのかも
ちなみに、昔は子供がいる場合は性別変更ができなかったんだけど…
平成20年6月8日に法改正されて「未成年の子」が居なければOKになりましたよ
5.生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること
MTFの場合は精巣(きんたま)がない状態のことです。
FTMの場合は卵巣や子宮ですね。
戸籍変更後に、子供を作ったりするといろいろと混乱をまねくからこの項目が作られたようです。
また、性ホルモンが分泌される状態になってて、身体が元に戻ると混乱をまねくからだそうです(Wikipedia調べ)
6.他の性別の性器の部分に近似する外観を備えていること
MTFの場合は見た目が女性のソレに似てる状態になってることを言うよ。
これは銭湯や温泉などなど、そういう場所でビックリされないように考慮して作られた項目です。
しかし、FTMの場合は男性のソレの外見に似せて作る手術がとても大変
なので、卵巣と子宮摘出手術をすれば戸籍性の変更はOKらしいです。
(大川忍さんのブログを参考にしました)
※タイのスポーンクリニックは見た目が女性器ソックリ&感度良好なことで有名です
ちなみにスザンヌみさきの現状はこんな感じ。
性同一性障害の診断書は現段階で持ってません(笑)
ていうか今まで必要なかったので持ってなかったんだけど、タイでSRSするにあたって必要になるので、今度取得してきまーす。
東京都のとあるクリニックだと比較的入手が早いので、そこに行ってきます。
その時の様子は後日まとめますね。(2018年10月下旬予定)
そしてSRSを・・・!来年になりそうだが…
SRS(性別適合手術)が最大の問題
多くのMTFにとって最大の問題は性別適合手術(SRS)だと思います。
なぜ問題なのか?
それはけっこうお金がかかるからだ。
反転法(ちんたまをひっくり返して造膣する方法)だと約120万円前後。
タイでやっても日本国内でやってもだいたい120万円前後
S字結腸法だと、だいたい180万円くらい(タイ)
S字結腸法だと、おなかに傷跡が残るので腹腔鏡法でS字結腸SRSをする人もいる。
わーなんだか専門用語が多い(汗)
私はタイのガモンホスピタルで腹腔鏡法S字をやろうとしているので、渡航費とかもろもろ合わせて240万円くらいかかりそう(汗)
まぁなんとかするしかないねぇ
SRS費用はローンや借金じゃダメなのか?
会社で働きながら150万円なり200万円なりローン組んで自動車買うのって、珍しくないですよね。
それと同じようにローン組んで性別適合手術するのはどうだろうか。
私も考えたが自営業なのでローンが組めなかった(汗)
ろうきんにも申請したし、カードローンもやってみたができなかった。
自力で稼ぐしかないっぽい。
会社員の場合は医療ローンや、年利の低いローンでまかなうのはどうなんでしょう?
賢い方法だと思うんだけど。
性別適合手術までにかかるお金
必要なお金はだいたい・・・・
・女性ホルモン代(1年分)
・SRS費用(120〜240万円くらい)
合計135〜255万円くらい
【追記】
SRS資金とメディカルローンの関連性について「今すぐ性別適合手術の資金を作り出す方法を発見したのでシェアします(銀行預金に1円もないけど」で詳しく書いています。
参考にどうぞ
【第二段階】SRS手術後の申し立ての流れ
性別適合手術が終わり、必要な条件も書類も用意できたら申し立てです。
流れは大きくこんな感じ
1.家庭裁判所に申し立てる
↓
2.裁判所からの審査結果を待つ
以上、大きく2ステップです。
1.家庭裁判所に申し立てる
申し立てをするのは「自分の住所地の家庭裁判所」です。
私は沖縄県の那覇市に住んでいるので「那覇家庭裁判所」ですね
これは自分の「住民票」が登録されてる地域の家庭裁判所になります。
自分はどこの家庭裁判所に行けばいいかわからない場合、「お住まいの地域 家庭裁判所」でネット検索してみましょう。
例えば、沖縄県那覇市に住んでいたら
「那覇市 家庭裁判所」と検索すればOK
北海道の旭川市に住んでいたら
「旭川市 家庭裁判所」と検索すればOKです
申立に必要な費用
・収入印紙800円分
・連絡用の郵便切手(家庭裁判所によって違う)
申立に必要な書類
A)申立書
B)申立添付書類
【申立書】とはこれのことです。
申立書は裁判所に「戸籍の性別を変更したいからよろしく頼むよ」とお願いする手紙みたいなものです。
フォーマットはこちらのページからダウンロードできます。
↑こちらのページには「申立書の記入例」もあるから参考になりますよ
【申立書添付書類】は
1.「戸籍謄本」
2.「GID診断書」
以上、2つ用意します。
この時用意する「戸籍謄本」は、申し立てる人が生まれてから、今日までの「すべての戸籍」が書いてあるものを用意します。
(除籍,改製原戸籍)謄本(全部事項証明書)
次に、「GID(性同一性障害)診断書」ですが、これもフォーマットがあるのでリンク載せておきます。
これは私達が用意するのではなく、基本的にはお医者さん側が用意します
こんな感じなのかぁくらいに思っておけばOKです
とあるMTFさんが実際に家庭裁判所に提出した書類一覧
私の知人MTFさんが性別変更されました。
その時に提出した書類がこちらです
・自分史
・GID診断書発行元の情報(精神科通院歴として記載)
・女性ホルモン治療歴
・睾丸摘出手術元の情報(性別適合手術の一環として記載)(4つに分けたのか1つの書類に載せたのか確認不足(汗))
性別変更用の診断書を作ってもらうのに1万1800円かかったとのこと。
これは病院によって金額が違うのであくまで参考程度にどうぞ。
ちなみに診断書は美容外科の先生に書いてもらったようです。
2通目の診断書作成は5890円程度とのこと
※上記の「自分史」について、どういうものを書くのか?
どうやって書いたらいいのか質問いただきました
「性同一性障害(GID)の自分史ってなに?MTFの書き方を解説してみた。」という記事で詳細を解説してますので、参考にどうぞ
2.裁判所からの審査結果を待つ
以上、必要書類を準備したら最寄りの家庭裁判所に申し立てをします。
その後は家庭裁判所からの連絡を待つだけ。
だいたい5日ほどで家庭裁判所から連絡があります。
呼び出しがある場合は呼び出しの通知が届きます。
(郵送か電話かは家庭裁判所によって違う)
呼び出しを食らった場合、実際に家庭裁判所に足を運ばないといけません。
申し立てをしてから2〜3週間後くらいになるかもです。
呼び出された場合、家庭裁判所で性別変更の許可が降りるようですね。
つまり、
「性別変更OKだから許可証を受け取りに来てちょ」
ってことなんでしょうかねぇ
戸籍性別変更の申立までにかかる金額
・収入印紙800円
・郵便切手(数百円ていど)
・1st診断書作成料(1万円程度)
・2nd診断書作成料(6千円)
合計:1万7800円+数百円くらい
↑だいたい初心者向け三線フルセットくらいの金額ですね。
【第三段階】裁判所の許可から性別変更までの流れ
家庭裁判所で「性別変更の許可」が降りると、【性別の取り扱いの変更申し立てにおける許可の審判の謄本(原本)】という書類がもらえます。
裁判所が役所の方に性別変更の連絡をするようです、
なので、役所から「性別変更できたよ」って連絡を待ちましょう
役所によっては連絡が遅い場合があるので、自分で確認したほうがいい場合もあります。
家庭裁判所で許可が降りて、1週間以上過ぎてるのに役所から連絡なかったら確認してみましょう
↓
戸籍の性別が女性に変更できたら、各種データの変更のため戸籍謄本を取得して性別の登録を変更していきましょう。
※住民票の登録地と本籍地が違う場合は本籍地にじゃないと戸籍謄本がもらえません。
戸籍の性別は「女性」になってるけど、免許証とかパスポートとかは男性のままになってます。
そういうのを変更していきましょう
性別を変更すべき代表的なもの
・免許証
・パスポート
・銀行の名義
・契約してる生命保険など
・携帯電話会社
・ネット接続
などなど
運転免許証の性別変更は必須とのこと
運転免許証には性別が記載されてないけど、データでは性別の登録をしていますよ。
なので、性別変更したらいちおう免許証の性別も変更しておきましょう。
その際、「変更理由」が必要なので、性同一性障害による性別変更のため。
とでも伝えればOKです。
戸籍謄本持ってたら、それ見せれば一発です
性別の登録変更にかかるお金
戸籍謄本取得のお金くらいじゃないかなぁ。
神奈川県の平塚市は450円でした。
性別変更の手続き&流れのまとめ
第一段階:SRS手術する。身体の条件を整える
↓
第二段階:必要書類用意して家庭裁判所に申し立て
↓
第三段階:性別変更したので、免許書、パスポートの登録性を変更
以上、大きく3ステップです。
必要書類がそろっていれば、家庭裁判所への申立から、性別変更の許可まで3週間程度のようです。
今回以外だったのが、多く見積もってもSRS(性別適合手術)が中古の軽自動車くらいの金額だったってことです。
性別適合手術の場合は、自動車ローンが組めないので、そうカンタンじゃないけど、金額だけを見たら軽自動車なんだなぁ
そう考えたらSRSのハードルがガクッと下がりました。
むしろ、今までなぜやらなかったのかと、自分を責めました(汗)
いやいや。
責めても意味はないので、これからやっていきゃいいんだよ。
これからSRSを目指す性同一性障害の当事者にとっても、かなり現実味のある話に見えたと思います。
SRSは金額が大きな問題だと思っていたけど、本当の問題はお金ではなく
「どうやってお金を確保するか?」の問題なんだと気づきました。
例えば、自動車はローンが組めるので、100万だろうと200万円だろうと購入する人は多いです。
私の兄も18歳の時にローンで120万円の自動車(ホンダ・シビック)を購入しています。
さらに上の兄はローン組んで1500万円くらいの家を建てています。
あ、そういえば親戚のおばさんは、ローン組んで自宅を建て直していました。
総額3000万円くらいかかったんじゃないかなぁ
車を買った兄は当時フリーターだったし、家を建てた兄は普通のサラリーマンです。
自宅を建て直した親戚のおばちゃんは農家&パートだし。
そう考えたら120〜250万円のお金が用意できないのは論理的におかしいですよね。
私は自分にマインドブロックがかかっていたんだなぁと心底思い知りました。
そして、同時に「なんだぁ余裕じゃないか」と感じるようになりました。
自動車ローンやマイホームローンじゃないので、条件は違うけど、ムリではない。
決して届かないわけではない。
そう感じれるようになったのが今回一番の収穫かな。
というわけで、年内のSRSに向けて頑張るぞー!おー!
私がコレまでアドバイスした方々も短期間で見た目を女性に変えて今では女性で生活している人も多いです。
中には性別適合手術をして、心も身体も戸籍も女性になって第二の人生を送られている人もいます。
本人も「まさか人生がここまで変わるとは!」と驚かれています。