こんにちは、スザンヌみさき(@suzannumisaki)です。
性同一性障害(GID)の診断をしてもらうために「自分史(じぶんし)」というモノが必要になります。
先日書いた「MTFが性別変更(男→女)する流れ全体像をまとめました」でも少し触れてましたね。(質問があったので今回記事にしてます)
性同一性障害の診断書でいう「自分史」では、自分が今まで感じてきた性別への違和感、嫌悪感を時系列で書いたものを自分史としているようです。
例えば…
「小学生の時、声変わりをして声が低くなってしまったのが嫌だった」
「中学生の時、ヒゲがポツポツ生えてきて嫌だった」
「中学生では、男の制服を着るのが嫌だった」
「男らしくなる自分の身体が嫌で、毛をそっていた・・・」
そういう風に、年代ごとに書いて行けばOKかなぁと思います。
今回はそんな「自分史」とはなにか?も含めて書き方も解説していきますね
もし、あなたがまだ自分史を書いたことがなかったら、この記事を参考にしてみてください。
今、自分史を書いているんだけど、どういう書き方をしたら良いかわからない!
って場合も参考になるかなーと思います。
なぜ性同一性障害の自分史を書く必要があるの?
日本では、性同一性障害(GID)かどうかを判断する「診断のガイドライン」があります。
性同一性障害のガイドラインでは、その人の心の性(ジェンダーアイデンティティ)を判断するために、以下3つを判断材料にします
(1)詳細な養育歴、生活史、性行動歴
(2)性別違和の実態を明らかにする
(3)以上2つを診断できるまで聞きまくる
お医者さんはこの(1)と(2)を判断するために、患者さんが今までどういう生活をしてきたのか?
どういう人生を送ってきたのか知る必要があります。
そのために「自分史」を書いてもらうわけですね。
生活史
中学生の時は、男扱いされるのが嫌で制服を着るのが嫌だった
とか
制服を着るのが嫌で学校に行かず不登校になった
とか、そういう部分ですね。
ここで、お医者さんとしては
「なるほど!それほど男の服装が嫌だったのか!」って判断できるわけですよ。
もちろん、男の服装が嫌でも、男の服装してたMTFさんのほうが多数派なので、それは考慮されています。
性行動歴
これは自分の「性別に対する考え方」や「行動」についてです。
例えば…
家で隠れてお姉ちゃんのスカートを着てみたことがある
とか
髪の毛を伸ばして女の子っぽく見えるようにしていた
とか
ネトゲーでは絶対女性アカウントで遊んでた
とか
男の集団にいるのが嫌だった、違和感あった
とか、そういうやつです。
ジェンダークリニックの先生によっては
G行為はどうなの?
オナ○ーはどういう気持ちでやってたの!?
って、やたら細かく聞いてくる先生もいます。
セクハラじゃねぇのかな…
性同一性障害の診断基準については、こちらのサイトにガイドラインがあります。
難しいことは書いてないので、一度読んでおくことをオススメしますよ。
「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン(第4版改)」一部改訂のお知らせ(2018.1.20)」
性同一性障害の「自分史」で書く内容は?
とあるクリニックのwebページには、このように書いてありました。
性別違和感を時系列にまとめた自分史を書いてきて下さい。
性別違和感に関するエピソード、GIDに関する治療歴(年月日、病院名、担当医名、治療内容)が含まれていれば結構です。
このクリニックでは、性同一性障害の診断を受けるにあたり
1.性別違和に関するエピソード
2.GIDに関する治療歴(年月日、病院名、担当医名、治療内容)
以上2つがあればOKとのことでした。
クリニックによっては、ホームページやブログに診断にあたり必要なものを書いていることがあります。
自分がこれから行こうと思っているクリニックがあるなら、先にホームページなどをチェックしておくといいと思いますよ。
性別違和に関するエピソードとは?
ようするに…
「自分は○歳くらいで自分の性別に違和感を感じた。」
「それが嫌で19歳から女性ホルモンを開始して、21歳で睾丸摘出術をした」
「21歳でニューハーフクラブで働くようになり、日常生活は女性で過ごすようになった」
「なぜなら、男扱いされるのが非常に苦痛だからだ」
「そして自分の身体の男らしい部分も嫌だから手術して取った」
とか。
そういうエピソードのことじゃないかなぁと思います。
今度、このクリニックに直接行くので、詳細を確認してみて、わかったことは後日ブログにも書きますね。
GIDに関する治療歴とは?
何歳から女性ホルモンやってるとか、何歳の時に手術したってことでしょう。
担当医は…ネットで調べれば今の時代わかりますよ。
自分史の書き方は?どうやって書く?
性同一性障害治療のガイドラインをじっくり見てほしいのだが…。
実は、性同一性障害のガイドラインに「自分史の書き方ルール」は存在しない。
つまり、書き方は基本的に自由なのである。
ちょっと引用しますと。↓
(1)詳細な養育歴・生活史・性行動歴について聴取する。
日常生活の状況、たとえば、服装、人間関係、職業歴などを詳細に聴取し、現在のジェンダー・アイデンティティのあり方、性役割の状況などを明らかにする。
また必要に応じて、当事者の同意を得た範囲内で、家族あるいは当事者と親しい関係にある人たちから症状の経過、生活態度、人格に関わる情報、家族関係ならびにその環境などに関する情報を聴取する。
そのうえで、ジェンダー・アイデンティティについて総合的多面的に検討を加える。
ただし、これらの人たちから情報を得るに当たって、当事者との関係に重大な支障を及ぼさないよう、細心の注意が必要である。
このように書き方に決まった定型文や方があるわけじゃない。
戸籍の名前を変える「改名」などの場合は、裁判所に提出する書類のフォーマットがあるけど…
性同一性障害診断の「自分史」にはフォーマットがない。
やはり自由だ。
ただし、通っている(通う予定の)ジェンダークリニックは、自分史のフォーマットを決めているかもしれないので、それに合わせて作っていきましょう。
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GID自分史の書き方例
今回は私が10月に行く予定のクリニックのフォーマットを例にしますね。
性別違和に関するエピソード
【小学6年生】
声変わりが起きるが、低い声が嫌だった
【中学生】
校則で丸坊主にさせられることや、男の制服を着るのが嫌だった。
男女分けられるのが嫌で、自分がなぜ男の側にいるのが嫌だった。
自分が男なのはずっとわかっていたけど、女子生徒のグループになりたいなと思っていた。その気持がなぜか当時はわからなかった
中学2年生頃からヒゲが生えてきた、男だからヒゲが生えるのは仕方がないが、それが嫌で毎日抜いていた。毛抜は母親のものをこっそり使っていた
【高校生】
髪の毛が伸ばせるという理由だけで、商業高校に進学した。
高校に入ってからはずっと髪の毛を伸ばし続けた。
高校2年生になるまで伸ばしたが、先生から何度も「髪を切れ」といわれてしぶしぶ従った。
でも、なるべく短くならないように切ってもらっていた。
【社会人】
学校で男扱いされるのに嫌気が指したので、男女の制服が別れていない会社に就職した。
就職してからは髪の毛を更に伸ばした。
自分でお金を稼げるようになったので、ヒゲの永久脱毛をするようになった。
この頃、ジェンダークリニックに通うようになり、性同一性障害の診断をしてもらおうと思った
診断が出れば女性ホルモン注射ができると思ったからだ。
これ以上男らしくなりたくないし、女性になりたい気持ちが強かったので女性ホルモンをするために行動するようになった。
19歳の12月ごろに、FTMの友達が女性ホルモン注射できる美容外科を紹介してくれた。
その病院で女性ホルモン注射をするようになり、ジェンダークリニックに行く必要がないと感じたので行かなくなった
働いている会社の給料が少ないので収入の多い仕事に転職した。
転職先は「男性」登録で働いていたが、髪型が自由だったので、髪の毛は更に伸ばしていった。
この会社は給料が多かったので、給料は身体を女性らしくする手術に使っていった。
この会社で働きながら、甲状軟骨形成術4型と睾丸摘出術と豊胸手術をやった。
豊胸手術後に会社を辞めた。
その後は名古屋市のニューハーフクラブで働くようになり、日常では女性の服装や見た目で生活している。
それから今日まで、日常生活は女性として生きています
性同一性障害に関する治療歴
2006年12月16日 ○○クリニック(丹羽○○)にて女性ホルモン注射開始
2007年8月12日 ○○クリニック(一色○○)にて「甲状軟骨形成術4型」
2007年9月27日 ○○クリニック(丹羽○○)にて「睾丸摘出手術」
2007年10月21日 ○○美容外科名古屋院(石原○○)にて「豊胸手術」
2014年1月5日 ○○美容外科 川崎院(岡本○○)にて「豊胸手術(2回目)」
性同一性障害MTFの自分史 書き方まとめ
基本的な書き方は、通っているクリニックに聞いて教えてもらいましょう。
クリニックによって書き方のフォーマットが違うので、直接教えてもらったり、ホームページなどで確認するのをオススメします。
「自分史」診断するにあたりクリニック側が判断材料とするものです。
性同一性障害のガイドラインで「自分史を書いて」と決まっているわけじゃない
結局は、昔から性別に違和感があって、その違和感を消すためにホルモンや手術をしたいんだ
って結論になれば良いわけですよ。
そのための判断材料が「自分史」ってわけです。
文章の中身よりも、自分がいままでやってきた「行動」のほうが大事だと思うので、そこを優先してほしいなぁと個人的に思います。
この記事が参考になれば嬉しいです。
日本で診断書取らなくてもタイで取ればよくね?
※2018年10月7日追記
この記事を読んだMTFさんから
「日本で性同一性障害の診断を取らなくても、タイで取ればいいような気がします。」
という意見をいただきました。
ありがとうございます。
SRS(性別適合手術)をするのであれば診断書がなくてもOKです。
問題ナッシング。
タイでSRSするなら、タイでGIDの診断書を取得すればOK
ただ、問題なのは戸籍が日本にある人が、戸籍の性別を変更する場合です。
この場合、日本のフォーマットにのっとったGIDの診断書が必要になります。
タイ語や英語で書いてある診断書だとだめポなので、日本で診断書を取得する必要があります。
もちろん、タイでSRS(性別適合手術)を終えていれば、日本でGIDの診断書を取得するのはカンタンなので、ご安心ください。
とにかく。
戸籍の性別を女性にするなら、日本の法律にあわせて家庭裁判所に提出する必要がある
ってことです。
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MTFがGID診断書をたった1日で取得する方法について体験談話しました
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男に生まれた私ですが、10年前から女性として生活しています。
今も女子度UPのために肉体改造と美容に精を出しています。
というか、自分を磨いていくと、日々の変化が感じられるし楽しいから好きなんですよ。
私も最初からこんな人間だったわけじゃないです。
男時代は体格も良かったし肥満だったし、体毛も濃いし、声も低かった。
とても女としては生きられそうにないレベルの男でした
男の中の男って感じ。
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本人も「まさか人生がここまで変わるとは!」と驚かれています。